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Keiichi's Blog

ここで言質をとるってこ

ここで言質をとるってことか、まあ拒否する理由もないし、何苗だってこれは望むところなんだろ。

 

「ああそのつもりだ。闇雲に兵を動かすのも良くないだろう、担当範囲をいまのうちに決めるべきでは?」

 

 それぞれがお互いの顔を見る。宦官を排除したその後を睨んでの事だろう、俺は別にどうでもいい。

 

「宮殿内は俺が詳しい、notary public 袁術と共に内宮を担当しよう。ここが一番危険でもある」

 

 一番美味しいところを袁紹が名乗り出る、持っている兵力や側近の中でも筆頭だろう地位を考えたら妥当なところだ。曹操に不満はあるだろうが、きっと納得する。「なら俺は四方の衛門内を受け持つ。ここを塞いでしまえば外からの増援は止められる。衛尉への対応もしておくとしよう」

 

 つまり俺じゃ無理ってことだ。じゃあ何苗の担当はどうなるのやら。

 

「宮内の混乱は必至だな、何皇太后の安全が気になる。私は後宮の警護に回るとしよう」

 

 なるほど、それは理にかなっている。何苗という個人を以てして初めて成立する立ち位置だよ。

 

「して島殿はどこを?」

 

 これ以上宮中に居ても仕方ないだろう、この騒ぎだよな董卓が乗り込んで来るのは。ならば。

 

「渦中ばかりが全てではない、洛陽十二門の北部門に部隊を置こうと考えている」

 

「内城ではなく?」

 

 皆の想像を越えた場所らしい、だがそれでいい。

 

「宮中が大混乱を起こせば不慮の事態になりえる。遊撃の為の駒が一つくらいあった方が良いだろ。後付けの部外者のような立場だ、功績などよりも全体の補完をする役割を求める」

 

 敵に回らないように部隊を押さえる指揮官さえいれば良かったんだろ、なら俺の申し出を却下する必要もないわけだ。曹操のやつは目を細めてこちらの真意を読み取ろうとしているが、この時点でそこまで解っていたら神仙の類だな。

 

「そうしたいならば島殿の考えを否定することはない。車騎殿はそれでよろしいでしょうか?」

 

「本当にそれで良いのか?」

 

 希望があれば何苗が許可するというのと同義だろうが、今回はこれが最善手になる予定なんだよ。

 

「はい、城外でことが起これば自分が受け持ちます」

 

「わかった、ではそうするのだ。驍騎校尉よ、実行はいつにする、次の満月あたりか?」 方策が決まればあとは速やかに実行するのみだ。満月は六日後あたりだったか……袁紹の奴もこれといって異論をださないが。

 

「明後日の夜半にしましょう。こういうことは早い方がよろしい」

 

 そうだ、それがいい。二日あれば兵を集めて行動出来る、やはりこういう感覚は曹操の能力の高さがうかがえるな。示し合わせて後に大将軍府を出ると「島介よ、一度始まればもう止まりはしないだろう。よくよく備えておくのだぞ」何苗が真剣な顔で念を押して来る。

 

「承知。皇太后が宦官らを匿うなどが無ければよいですが」

 

 そこが心配だ、何進も何苗も流石に皇太后の宮にまで兵を入れることはなさそうだからな。聖域を作ってしまえば奴らは身を隠すはずだ、その時どう追い詰めることが出来るか。袁紹は及び腰になりそうだ、曹操なら出来るだろうが衛門担当では浮かばれん。

 

 こうやって歴史は繰り返すってことか、致し方あるまい。

 

「うむ……そのようなことにならぬように尽力する」

 

 現実はそうはいかない、宦官の兵さえ遮断しておけば、何進は暗殺されたとしても何苗は守り切れる。それで歴史のIFを追い求めてみるとしよう。そこは曹操がきっちりと仕事をするはずだ。

 

 

 翌日、張遼らに兵を集めて待機させた。こいつらはほったらかしにすると、前夜であってもどこかへ飲みにでたり、女を買いに行ってしまうからな。禁足令を出して、飯を食わせておけば一日ならば不満はたまらん。

 

「我が君、この機に郷土からの兵も待機を掛けております。気づかれぬよう、洛陽北門付近の民家に分散していますので、ご留意ください」

 

「そうか。趙厳らが部将として統率を?」

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